むち打ちとは？
交通事故のケガで非常に多く発生するもので、「頚椎捻挫」とも言われています。交通事故などの強い衝撃で首がムチのようにしなり、
首・肩・背部の筋肉・神経・血管などの軟部組織が損傷されるもので、骨の損傷は無いことが多く、レントゲン検査などでは異常がないと言われることがほとんどです。
受傷直後は興奮状態にあるため、症状として感じないこともあり、時間の経過と共に首の痛み、運動痛、頭痛、吐き気、めまい、倦怠感、背部や肩の痛み、上肢のしびれ等を感じるようになってきます。
症状が軽いからといって自己判断はせず、適切な治療を受けることが大切です。
「むち打ち」はいくつかの病態があり、大きく分けて次の４つの型に分類されます。
1. 頚椎捻挫型
むち打ちの約80％を占めます。首を支える筋肉（胸鎖乳突筋・斜角筋・僧帽筋・菱形筋・大胸筋など）の損傷や、靭帯、関節包などの軟部組織の損傷が起こっている状態。
症状
知覚異常、頭重感、頭痛、首の痛み、手の脱力感やしびれなど
2. 頚部交感神経症候群（バレ・リーウー型）
頚椎の損傷の際に、頚部に通っている交感神経および椎骨動脈をいためた状態。頚部の交感神経は、血行の調整、眼や耳・心臓の機能にも働きかけているので、むち打ちの外力により損傷を起こすと働きが鈍くなり、症状は多岐にわたる。
症状
後頭部痛、首の痛み、耳鳴り、めまい、視力障害、倦怠感、易疲労感、夜間の手のしびれなど
3. 神経根型
事故の外力により、神経が引き伸ばされたり、神経根の圧迫を受けることにより起こり、頭部から上肢までの神経症状を呈する。
症状
咳やくしゃみ、首の動きにより症状が憎悪する。損傷された神経領域の知覚異常、麻痺、筋力低下、反射の減弱など。
4. 脊髄型
頚椎の骨折や脱臼により脊髄が損傷され、手足の症状、脊髄症状を呈することがある。
症状
上肢のしびれ、歩行障害、膀胱障害、直腸障害など。
5. 脳脊髄液減少症
最近注目されている病態で、事故の外力により、脳脊髄液が脳脊髄液腔から漏れ出ていて減少している状態。
症状
頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感など様々な症状を呈する。
